2009 年 104 巻 6 号 p. 405-411
清酒醸造において,鉄は麹菌の生産する無色のデフェリクリシンと反応して赤褐色のフェリクリシンとなり,着色の原因となる。さらに,マンガンと鉄はアミノカルボニル反応の触媒となり,清酒の着色を促進する。したがって,清酒醸造において使用される醸造用水は,着色防止のために鉄・マンガン含量が少ない水が要求される。著者らは微生物群集を用いたバイオフィルトレーションによる地下水からの除鉄・除マンガンについて解説しているので,清酒メーカーの参考となると考えられる。