日本醸造協会誌
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研究
奄美大島の伝統飲料「ミキ」の分析
久留 ひろみ吉崎(尾花) 由美子玉置 尚徳和田 浩二伊藤 清
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キーワード: ミキ, 酸組成, 糖組成, 乳酸
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2010 年 105 巻 3 号 p. 167-174

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抄録

ミキの成分組成について測定を行った。その結果,仕込み後急速に流動性が増し,デンプンがマルトースに加水分解されることがわかった。本加水分解は,酵素に起因するものであるが,本酵素は生サツマイモ中に存在する,β–アミラーゼに由来するものであると推察された。また,仕込み後急速に酸度が増しさわやかな風味が形成されたが,酸の組成としては乳酸と酢酸が主成分であった。また,乳酸については,約70%がD乳酸,約30%がL乳酸であることがわかった。エタノール分については,約1週間経過した後も1%未満であったので,酒類には該当しなかった。

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© 2010 公益財団法人 日本醸造協会
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