居酒屋が見直されている。といっても大手チェーンではなく,古くからその町に根づいている大衆酒場である。2008年には「古典酒場」という雑誌も誕生し東京北区にある下町酒場にもずいぶんスーツ姿の人が増えた。人は酒場に何を求めるのか? マニュアルの応対,オペレーションの効率化による低価格化,アンケートによる改善,それでは自分のやっている仕事と同じようであり憩えない。安くてうまい肴,懸命に働く店の方の姿,時に育まれた雰囲気とそれを維持するための努力,そういった場に浸ることを筆者は「酒場浴」と呼んでいる。
最近,製造者は,力を持った流通の方ばかり気にしているように見える。実際にお酒が飲まれている現場(酒場)をみることが酒造りへの喜びと誇りにつながり,またヒントもあるのではないかと思う。どうですか今晩?