日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
研究
清酒醪における生酸菌の酵母増殖活性に及ぼす影響
稲橋 正明戸塚 堅二郎岡崎 直人石川 雄章佐藤 和夫
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 108 巻 4 号 p. 285-294

詳細
抄録

活性度の低い酵母を使用した時の生酸菌の動向を調べた。酵母の増殖速度が正常の約1/2程度に低下した酵母,いわゆる活性度の低い酵母を仕込みに用いた場合,醪初期の酵母数が不足(1×108/ml以下)することにより,アルコール生成も遅れることから,生酸菌はもろみで旺盛に増殖を始め,その結果として酸度が高くなり,醪は酸敗する。しかし,二日踊りを採って酵母数を充分確保することができれば,活性度の低い酵母を用いても,もろみの酸敗をかなりの確率で防止できることを明らかにした。

著者関連情報
© 2013 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事
feedback
Top