日本醸造協会誌
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焼酎の香り成分が有する新規機能性:t-PA(組織プラスミノーゲンアクチベーター)の放出,並びに血小板凝集抑制効果
須見 洋行
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2014 年 109 巻 3 号 p. 137-146

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抄録

血液には,血液を凝固させる凝固系と凝固した血液を溶かす線溶系が存在し,そのバランスが大切である。筆者はこれまでに血液の凝固-線溶系について研究を重ね,1980年代に血栓を溶解するナットウキナーゼを発見し,納豆の健康食品としての有効性を裏付けた。本稿では,焼酎香気成分が線溶因子の1つであるt-PAの放出を促進し,血小板凝集を阻害することについてご紹介いただく。これまでに,適量飲酒は心臓疾患や脳梗塞に良いという結果が多くの疫学調査で報告されているが,焼酎香気成分の寄与もあるのではないだろうか。

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© 2014 公益財団法人 日本醸造協会
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