日本醸造協会誌
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解説
PCR法による清酒酵母の判別
福田 央
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2014 年 109 巻 4 号 p. 202-211

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抄録
PCR法は微量なDNAの特定部位を増幅する方法であり,今日ではそれぞれの生物に特異なDNA部位の検出法として食品をはじめ多くの分野で用いられている。これまで醸造酵母の判別はおもに特定な培地での生育や染色性に基づいてきたが,PCR法によれば,これまで不可能であった種の判別がしかも短時間で可能となる。特に清酒酵母は種間でのDNA配列の相同性が高く,その判別は困難であったが著者らの研究によってそれが可能となった。ここではPCR法による清酒酵母間の判別を中心に解説し,さらに清酒酵母,ワイン酵母および焼酎酵母間の判別についても言及していただいた。将来はこの方法が単に微生物管理にとどまらず天然からの優良酵母の選択・育種への活用も期待される。
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© 2014 公益財団法人 日本醸造協会
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