1947 年 42 巻 7-9 号 p. 18-19
(1).水浸漬搾汁切干甘藷麹に原切干の重量に對し20水より70水まで汲水して純粹培養酵母と種酢を各1割添加し28℃で食酢製造の小試驗をやつて見た。
(2).55℃で糖化を行はせず最初から28℃で糖化, 酒精醗酵, 醋酸醗酵を同時に行ほせたものは糖化が遅れて試驗は不良であつた。
(3).55℃, 15時間で糖化を完結させた後に醗酵させたものも醗酵が阻害されて大して生酸しなかつた。
(4).40水, 55℃, 5時間で大部分精化した後, 酵母を添加して先ず酒精醗酵を行はぜ, その完結を待たず, 1週間後に更に種酢を添加して複醗酵を行はぜたものが一番成績が良く, 酢酸にして4.8%を生酸した。
(5).酸度は3週間後に最高に達し, それ以後は逐次酸が消費されて減少した。
終りに臨み種々御指導を賜はつた山田先生に厚く感謝する。