日本釀造協會雜誌
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酒母省略清酒醸造に関する研究 (第3報)
タンク培養による清酒酵母の製造について (その1)
宮崎 礼五長野 修吉田 弘一赤木 盛郎
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1966 年 61 巻 6 号 p. 546-550

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抄録

酒母省略清酒仕込を工業的に行なうにあたり, その規模その他の面で清酒工場に見合うものであること, 通気撹拝効果, 雑菌の汚染防止, 取扱いの簡便さなどに眼を置いて, 清酒酵母のタンク培養装置を設計, 試作した (全容2401, 標準培養液量100l)。
この培養装置について, 通気量50~200l/min, 撹絆数100~300r.p.m.の各条件下で酸素吸収速恒数Kdを測定した結果, 撹拝数が通気量に較べて遙かに大ぎな影響をKdに与え, 撹拝数200~300r.p.m.の間ではおおむねKd=11.4×10-12V0.5N1.7となることを知った。
つぎにこの培養装置を用いて通気撹拝条件を変えて培養検討した結果, 本実験の範囲では通気量501/min, 撹拝数300r.P.m., 通気量1001/min, 撹拝数250r.p.m.の条件が酵母収率の高いことを知った。この条件で培地約1003からほぼ8.5~9kgの着色の少ないきれいな固形酵母が得られた。

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