1972 年 67 巻 4 号 p. 355-358
おり下げ剤を使うことは現在, 商品としての清酒にとって必須の技法である。おり下げ剤とくに酵素剤を中心に, 清酒への着色或はおりの再発生などについて検討した。
1. 4種類の酵素剤中の着色に関与するとされている成分含量は不検出か微量で, 酵素剤使用量が10~25ppmと少量であるため, 清酒の着色には影響ないと思われる。
2. 各種おり下げ剤使用後の清澄清酒の日光着色, 貯蔵着色に差は見られなかった。
3. おりの再発生については, (1) 濾過技術に起因する場合と, (2) 酵素剤中のα-arnylaseの変性による場合とがあることを明らかにした。