日本醸造協会誌
Online ISSN : 2186-4012
Print ISSN : 0914-7314
ISSN-L : 0914-7314
味噌のがん抑制効果
上岡 龍一後藤 浩一山内 彰雄
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 100 巻 11 号 p. 771-776

詳細
抄録

近年, 味噌の生理活性に関する様々な研究が行われており, 大腸がんの前がん病変 (ACF), 胃腫瘍, 肺腺がんに対して, 大きな予防効果を示すことなど報告されている。しかし, がん抑制成分の特定や制がんメカニズムの詳細については明らかにされていない。著者らは, 麦味噌から有効成分を抽出し, 新たに開発した天然素材の複合脂質膜に含有させ, ヒト肺扁平がん細胞に対する増殖抑制効果を検討された。特に, 脂溶性成分に顕著な抗腫瘍活性のあることを明らかにされ, 味噌中に含まれる脂肪酸および脂肪酸エチル, なかでも, リノレン酸エチルが重要な抗腫瘍成分であることを初めて見い出された。これらについて詳細に解説していただいた。

著者関連情報
© 公益財団法人 日本醸造協会
前の記事 次の記事
feedback
Top