日本醸造協会誌
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ビールの香味耐久性と泡持ちを向上させる大麦の育種
廣田 直彦
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2005 年 100 巻 9 号 p. 618-625

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抄録

筆者は, 1200系統もの大麦遺伝資源からリポキシゲナーゼ (LOX) 活性を完全に欠失した品種を探索した結果, その種を発見し, この形質がビールの香味耐久性や泡持ちの品質の向上効果をもたらすことを明らかにした。さらに, LOXレス形質の遺伝様式と分子機構から, LOXレス形質をダイレクトに選抜できるDNAマーカーを開発し, 現在は' 高晶質L。OXレスビール大麦' の実用化を目指して新品種を育成中である。筆者が述べているとおり, ビール原料としての大麦の多様性と可能性を再発見させてくれる。近い将来, 香味耐久性等の優れた美味しいビールを飲めることが楽しみである。

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