日本醸造協会誌
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貯蔵に伴う蒸留酒のマクロなクラスターサイズの変化
秋山 稔三上 慶浩
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2006 年 101 巻 3 号 p. 178-185

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抄録

貯蔵に伴う蒸留酒のクラスターサイズの変化を定量的に決定するために
(1) マクロなクラスターサイズを (1) 式と (2) 式で定義した。
(2) エタノール水溶液での水分子とエタノール分子の水和クラスターへの分率であるPwとPEとを贋-NMRにおける化学シフト値の濃度変化から (5) 式により求めた。
(3) 蒸留酒として, ウィスキーを選び, ウィスキーでの分率Pw*とPE*とをPwとPEを基礎にし, ウィスキーとエタノール水溶液から蒸発する水分子数の比とエタノール分子数の比を測定することによって, (12) 式から算出した。
(4) 算出されたPw*とPE*から (4) 式により, ウィスキーでの3種のマクロなクラスターサイズを求めた。
(5) 本研究で定義されたマクロなクラスターサイズの25年の貯蔵に伴う変化はエタノールクラスターで大きく減少しているが, 水和クラスターと水クラスターではそれに較べて小さい。

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