日本醸造協会誌
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原料処理および醸造工程中の尿素の消長
吉沢 淑高橋 康次郎佐藤 和夫
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キーワード: 尿素, 白米, 醸造工程
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1988 年 83 巻 2 号 p. 136-141

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抄録

(1) 原料米中の尿素量(糖化による生成量も含む)は精米歩合とともに減少し, 70%精白米でほぼ一定の値となった。75%精白米で20.3, 70%精白米で11.6μg/g-rice on drymatter程度であった。
(2) α化米(アルコール処理)やパフ白米の尿素量ぱ, 未処理白米より少なくなった。
(3) 白米重量の2倍量の水量で掛流しを行なうことにより, 白米中の約50%の尿素が浸出した。
(4) 3回漬け替えを行なうことによる白米中の尿素の溶出率は, 0.01N塩酸溶液で45%, 蒸留水で34%, 0.01N乳酸液で32%であった。
(5) 醪温度が高いほど, 製成酒の尿素量が多くなり, 特に15℃から20℃にかけての増加が顕著であった。
(6) 120℃, 30minオートクレーブ処理米およびα化米, パフ白米仕込酒は醪中および製成酒の尿素量, およびアミノ酸度が低くなった。

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