日本醸造協会誌
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低温感受性味噌酵母の作出
奈良岡 哲志松江 一
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2000 年 95 巻 9 号 p. 641-650

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抄録

本来, 味噌は保存食品であるが, 袋・カップなど密封容器に詰めて出荷される場合, 流通過程において, 再発酵を起こして炭酸ガスを発生し, 容器の膨張をもたらす, いわゆる “湧き”, 膨れの発生を防止する必要がある。現在, ほとんどの味噌は, 防湧のためにアルコール (エタノール) が添加される。味噌に使用されるアルコール量は年間10,000ke強で, 食品の製造, 加工に消費される総量の11%近くにおよぶが, 品質劣化, コストなどの問題点から, より有効な代替技術の開発が望まれている。かかる観点から, 通常の味噌の熟成温度ではよく発酵するが, より低い流通温度においては, 発酵が停止し, 湧きを起こすことのない低温感受性味噌酵母の作出に成功された著者に, その詳細を解説していただいた。

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