日本醸造協会誌
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平成12年度味噌・食酢の研究業績
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2001 年 96 巻 5 号 p. 319-347

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抄録
20世紀締めくくりの年の味噌研究業績は, 日本経済の推移を反映するかのように, やや低調であった。しかし, その中にあって新世紀を迎えるに相応しい新しい展開が望めそうな気配が僅かに感じられる。すなわち, 麹菌をはじめとする微生物の分子レベルでの研究が動き出し “遺伝子” の項が, さらに従来, 前向きに検討されることが少なかった食品の機能性にかかわる研究が数多く認められるようになり “機能性” の項が, この業績集に設けられたことである。これらを基に, 新しい切り口での研究開発が進められ, より一層の味噌の発展がなされることを期待したい。
食酢の研究業績をみると原料及び原料原料処理の分野では野菜や果実を使用した食酢の試作が多く, 微生物分野では, 微生物繊維の生産に関与するセルロース生産菌の代謝・生理機能を取り扱った研究課題は昨年同様, 日本のみなぢず海外での研究も多い。
酵素・遺伝子分野では酸化酵素の研究が多いのは当然と考えられる。
仕込・醸成・ろ過の分野ではバイオリアクターやプロセス制御での造酢, その他の分野では, 日本に於ける食酢の機能性に関する研究が数多く見られた。
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