2012 年 52 巻 January 号 p. 67-70
要 旨:近年,成人大動脈縮窄症の治療に対しステントを用いたカテーテル治療が行われるようになり,手術との優劣が論じられるようになってきている。手術方法には以前より種々の方法が採用されており,いまだに議論のあるところである。今回,われわれは再手術の2症例を含む3症例に対して,血管アクセスの観点などからステントなどカテーテル治療は適当でないと判断し,手術侵襲,血管の性状からパッチ拡大術を施行した。術後遠隔期において重篤な合併症もなく良好な結果が得られたので,文献的考察を交えて報告する。