2022 年 62 巻 4 号 p. 15-20
末梢動脈の再建には適切なグラフトの選択が不可欠である。われわれは,右膝窩動脈瘤からの遠位血栓症を呈した87歳の男性の治療に成功した。伏在静脈が細径であったため,右浅大腿静脈グラフトを用いて瘤切除置換術を行った。術後剝離面からの出血を認めたが虚血症状は改善し他良好に経過した。術後4カ月で右下肢の腫脹は消失した。その後癌で亡くなるまでの20カ月間,グラフトは良好に開存していた。浅大腿静脈グラフトは吻合動脈と口径差が少なく再建材料に適していたが,剝離面からの出血に注意すべきである。