子どものこころと脳の発達
Online ISSN : 2435-8819
Print ISSN : 2185-1417
総説
発達障がいモデルマウスを用いた脳の発達や社会性に変化をもたらす分子メカニズム解明~全脳イメージング解析から,シナプス機能解析まで
早田 敦子勢力 薫中澤 敬信橋本 均
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2021 年 12 巻 1 号 p. 17-25

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抄録

近年,発達障がいの有病率は世界的に増加しており,発症メカニズムの解明や新しい治療法の開発が医学的・社会的に急務となっている.私たちは神経発達障がいのモデルとなりうる動物を作製し,その発症に関わるメカニズムの解明を目指している.本稿では,脳神経機能のメカニズムを理解するために私たちが開発した高速・高精細の全脳イメージング装置であるFASTシステムを用いた神経ネットワーク解析や神経活動のイメージング解析をはじめ,ASD患者などにおいてde novo変異の数が最も多く報告されているPOGZ遺伝子に注目した患者由来iPS細胞を疾患モデル細胞とした神経機能解析,変異導入マウスを用いた精神行動の解析など,さまざまな研究ツールを組み合わせて行ってきた研究の一部について紹介する.

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© 2021 大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
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