抄録
雷から電力機器を保護するために設置されている配電用ZnO避雷器は、新規設備として設置された時点ではJEC-203避雷器で定められている避雷器の性能・特性を十分に満たしているが、課電ストレスや過大サージ等によりその特性は変化する。しかし、同劣化現象や経年劣化が考慮された限界性能については十分に明らかにされていない。また、現場で故障した避雷器内のZnO素子の様相として、ZnO 素子側面に筋状の破壊痕が確認されている。本研究では、交流課電中の雷インパルス電流重畳による配電用ギャップ付避雷器内ZnO素子の破壊様相の確認を目的として実験を行い、筋状破壊痕の形成過程の検討を行ったので報告する。