抄録
ATカット水晶振動子は,高いQ値と温度特性の良さから幅広い応用がなされている。近年,電子機器の進歩に伴い,より高い性能が要求されている。水晶振動子の高性能化において,水晶をプラノ-コンベックス形状に成型する方法が効果的であるが,数ミリの水晶片を均一なコンベックス形状に研磨加工することは難しい。そこで,新たな方法として,水晶表面に幅が連続的に変化する高さ数ミクロンの突起を複数配置することで,等価的なコンベックスが再現できることを提案し,FEMシミュレーションにより実証した。また,突起物の形状を最適化することでQ値の改善ができることも確認した。現在,実物で評価するためにこの水晶振動子を試作している。