抄録
環状金属体誘導加熱装置は、U型コアに加熱コイルを巻き、2次側にI型コアを貫通させた中空の環状金属体を設置した単相トランスの構造で、環状金属体自体の抵抗に発生するジュール熱で加熱されるもので、加熱目的を焼きばめとするものである。 この装置の加熱能力を上昇させるため、回路構成がシンプルで、EMCの問題の少ないMERS回路(力率改善)の応用を検討した。 この応用の場合、出力電圧が上昇するので、パワー素子の選定や加熱コイルの巻数など設計上留意する必要がある。この出力電圧上昇値の式を示し、パワー回路シミュレーションにより確認し、この上昇値を考慮しての設計を提案した。