抄録
高品質有機EL薄膜として利用されるAlq3や、多元素を必要とする磁性体薄膜を安価に作製するために、粉体ターゲットを利用した薄膜の作製を行い、その成膜プロセスの解明を検討した。今回はターゲットとして純チタンの粉体を用いてRFマグネトロンスパッタによる成膜を試みた。アルゴンガスと酸素ガスを利用して薄膜を作製し、膜の特性を、X線回折装置を利用して測定した。その結果、作製された薄膜はすべて酸化しており2酸化チタンになっていることがわかった。結晶性は酸素ガスの混合率と基板温度に強く依存しており、これまでのところ酸素ガス分圧が高く、基板温度が高い場合に結晶性が強くなることが示唆された。