抄録
本研究の目的は非侵襲癌治療装置の開発である。従来の研究では、電極を用いて直接生体へパルス電界を印加する方法を採っていたが、この方法では皮膚に損傷が残る。そこで本研究では、電磁波送信アンテナから800MHzのバースト電磁波を放射させ、楕円型リフレクターの性質を利用して一点に集束させるという方法を考えた。今回の実験では、電磁波送信アンテナとしてスリーブアンテナとブラウンアンテナ、ディスコーンアンテナを使用し、集束点付近における電界強度を測定した。その結果から3種のアンテナの集束点付近の電界強度分布を比較すると、最大電界強度はブラウンアンテナが最も高く、半値幅はディスコーンアンテナが最も狭いことが確認された。