抄録
プラノ-コンベックス型の水晶振動子は高いQ値を得られることから,古くから多くの研究がなされている。近年,水晶振動子のより一層の小型化が進み,精度良く凸レンズ状に研磨するが非常に困難となっている。そこで,水晶表面の凹凸パターンによりプラノ-コンベックス型の振動変位分布を再現できる擬似コンベックス形状を提案した。本論文では,擬似コンベックス形状を有する水晶振動子の製作プロセスを開発し、水晶表面の凸部の高さや間隔を変化させて共振特性を評価した。その結果,10万以上の高いQ値を実現した。しかし,シミュレーションと実験結果では形状変化とQ値の関係に異なる傾向が見られたため,その原因を検討した。