抄録
医療施設のMRI装置は、エレベータ(EV)などの磁性体の移動に起因する変動磁場により、検査精度に悪影響を受ける。施設集約化や動線の効率化の観点から、変動磁場源との距離が確保できない場合には、アクティブ磁場補償システム等の何らかの対策が必要となる。我々は、有効な対策方法として、変動磁場の発生源、すなわち、EVシャフト壁を磁気遮蔽する方法を考案する。しかしながら、EVカゴへの出入口扉やEVシャフトに接続する床スラブなどにより、磁気遮蔽材を全面に設置することができない問題がある。そこで今回は、この問題を解決する最適な磁気遮蔽工法について、有限要素法を用いた三次元磁界解析により検討する.