抄録
本研究では「投票」と「多数決」に基づく投票方式による物体検出アルゴリズムを提案している.特に産業用の用途への応用を前提としており,処理時間の短縮が課題である.本方式では,モデルとシーンの画像にエッジ検出を用いて各画像中の各エッジ点における偏差を求め,それを投票テーブルへ投票する.このとき,最大投票数となった偏差分だけモデル画像を平行移動することで,シーン中の対象物を検出することができる.また,対象物の回転に対応するため,モデルの0度から359度までの回転モデルデータに対して投票処理を行う.各角度での投票は独立に計算可能であるため,マルチコアプロセッサを用いて投票方式を並列化することができる.