抄録
MISTY1は1996年に三菱電機の松井が提案したブロック暗号アルゴリズムであり、NESSIEやCRYPTRECでは標準暗号として選ばれ、世界中で幅広く利用されているブロック暗号の一つである。MISTY1はブロック長64bit、秘密鍵長128bitであり、8段のFO関数と10個のFL関数で構成することが推奨されている。FO関数は非線形関数であるが、FL関数は秘密鍵が固定されている限りは線形関数である。これまでは、MISTY1の安全性の評価としてMISTY1に対して高階差分攻撃や線形化攻撃を適用した報告がなされてきたが、中間一致攻撃を適用した報告はされていない。そこで本研究では、MISTY1に対して中間一致攻撃を適用し、このことに対する安全性の評価を行った。