抄録
医療データの分析は、医療の質向上のために重要な役割を担っている。しかし、データの大部分を占めるカルテや手術記録などの非構造化データの分析はまだ発展途上である。本稿では、済生会熊本病院における大腿骨近位部骨折術の診療記録に対して代表的な機械学習手法であるSVMと決定木を適用して、手術後の在院が長期化している患者を判定し、その推定性能を比較した。また、手法ごとに判定に用いた単語をスコア化することで、それぞれの手法において判定に重要とされた単語の差異を検討した。結果として、推定性能はSVMが上回った。重要語については差異がみられる部分があった。