2017 年 32 巻 1 号 p. 39-43
ハイドロキシウレアは核酸代謝拮抗薬の1つで,骨髄増殖性疾患に対して用いられる。近年,本剤の長期投与による皮膚障害の報告が増加している。症例:80歳,女性。本態性血小板増加症の診断でHUの投与が開始された。投与開始3年8ヵ月後より左踵部に皮膚潰瘍が出現し,5年後に潰瘍内に紅色結節が生じたため紹介受診となった。初診時には踵部の潰瘍と左アキレス腱部にも潰瘍を認め,両手指・手背・手掌にびまん性の紅斑やびらんを認めた。生検の結果,左踵部は有棘細胞癌,左アキレス腱部はボーエン病の診断であったため,両部位の皮膚悪性腫瘍切除術・全層植皮術を施行した。術後診断はいずれも有棘細胞癌であった。HUによる薬剤性皮膚潰瘍に有棘細胞癌が合併したものと考えた。手術後,HUを減量しアナグレリド塩酸塩水和物との併用療法を開始した。術後1年4ヵ月経過したが,再発は認めていない。