抄録
モータを用いて負荷装置を制御する場合、負荷と接続部の剛性の度合いにより、外乱や指令値変化に対して振動を伴う共振系となる。近年では高速で高精度な制御に対する要求が高まっており、複数の負荷が接続された多慣性系として取り扱う必要がある。制御器設計法として様々なものが提案されているが、多くが複数回の実験等、経費や時間の浪費となる。そこで本研究は多慣性系のモータ制御器設計手法にFRITを用いることで目標応答への追従および共振の抑制を目的とする。FRITとは一回の閉ループ実験により得られた入出力データを基に制御器の調整をオフラインで行う手法である。提案手法の有用性を検証したのでその内容を報告する。