抄録
電力系統の無効電力補償用などに用いられる可飽和リアクトルとして、脚に断面が小さい磁気バルブを設けるバルブ型可飽和リアクトルが提案されており、これは小さい制御電流でインダクタンスを高速に可変でき、さらにバルブ形状の調節により高調波を抑制できる利点を持つが、バルブによる脚の磁束の偏りにより損失と騒音が大きくなる問題点があった。これまで我々は、無方向性電磁鋼板を用いた積層鉄芯において、脚の磁束の偏りを緩和する改良型バルブ形状を提案し、磁界解析により損失が低減できることを示した。今回、改良型バルブによる騒音の低減効果を磁界・構造併用解析により検討したので報告する。