抄録
ナトリウムの真空紫外域における光学特性は未知の部分があるが,近年,高い透過特性を有する可能性があることが報告されている.そこで我々は,反応性が高く取扱いが難しいナトリウムの真空紫外域の光学特性を明らかにするために,真空中のレーザーアブレーションによって生成されるナトリウム蒸気を用いることを提案している.しかしながら,レーザーアブレーションによって生成されるナトリウム蒸気の体積や密度は時間的に変化するため,真空紫外域の分光測定に用いるには,それらを明らかにする必要がある.今回,ナトリウムのD線を用いた時間分解吸収分光測定を行い,ナトリウム蒸気の時間的な変化を測定したので報告する.