抄録
4元混晶半導体Zn1-xMgxSeyTe1-yは,組成によりバンドギャップや格子定数を変えることができるので,ZnTeより大きなバンドギャップをもち、かつZnTeと格子整合が可能となれば,ZnTeをベースとした緑色LEDの良質なクラッド層材料として期待できる。しかしながら,量産化に有利な有機金属化学気相法においてはZnMgSeTeのドーピングに関する研究はない。そこで,本研究ではZnTeとほぼ格子整合がとれる成長条件下で減圧有機金属化学気相法による燐ドーピングを試みた。その結果,p型伝導を示すZnMgSeTe膜の作製に成功した。本研究では,燐ドーピングに伴う電気的性質の変化,結晶性,表面粗さなどの変化の様子も明らかにした。