抄録
我が国の65歳以上の割合は,2060年に約40%に達すると予想され,医療費の増大が懸念されている.このような中,医療機関における検査や新薬開発の過程では,様々な検体が取り扱われ,適切な温度管理が求められている.そのため,輸送時には,冷媒とともに検体をクーラーボックスに格納し,運搬している.しかし,輸送途中の温度変化を把握できない点や検体を誤って凍結させてしまうことがある点が問題となっている. 我々は,輸送途中のコンテナ内部の温度変化の可視化と能動的な温度管理が可能な検体輸送用スマートコンテナの実現を目指している.本学会では,コンテナ内の温度変化に関して調べた実験結果について報告する.