抄録
高次元点のクラスタリングでは,次元縮小射影と呼ばれる距離の一部を保持する低次元点への射影が,次元の呪いを緩和し,より効率的なクラスタリングに役立つ.次元縮小射影の1つであるSimple-Mapでは,中心点との距離を座標としてL∞ノルムへの射影を行う.三角不等式により,射影後の距離は必ず元の距離以下となるが,中心点をどう取るかに依って距離損失の大小は変化する.距離損失の少ない中心点は,より低い次元でのクラスタリングを可能とする.先行研究ではこれまで様々な発見的手法を用い,より良い中心点の探索が研究されてきた.本研究では,これまでの研究を踏まえた上で原点に立ち戻り,焼きなまし法を用いた中心点探索を行った.