2020 年 29 巻 3 号 p. 181-187
近年の次世代シークエンサー技術の発達により, がんゲノム解析が人工知能 (AI) に結びつき実臨床が現実化された. 2019年にはがんゲノム臨床中核拠点が制定され, 6月には2種類のがんゲノムパネル検査が保険収載された. このようにがんにおけるゲノム個別化医療が驚くべき速さで進歩している中, 各拠点がハード面, ソフト面の充実を急いでいるが, いまだに解決すべき課題も多い.
その中で膠芽腫を含めた悪性脳腫瘍に対する恩恵の可能性と, 悪性脳腫瘍におけるゲノム個別化医療の現状と今後の展望を概説する.