認知心理学研究
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原著
複数対象の運動方向変化検出課題における注意の効果
駒田 悠一篠原 一光三浦 利章
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2007 年 5 巻 1 号 p. 43-51

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抄録
本研究は多数の運動対象が存在するときに,その運動変化検出に対する注意の効果を測定したものである.被験者は手がかりとして指示された対象に注意を配分しながら,方向変化検出課題を行った.本研究の目的は,運動方向の変化検出を行うために複数の対象へ注意を向けるときに,注意を向けることによる利得が注意対象の数によってどのように変化するかを検討することである.結果は,方向変化検出の成績は注意を向けた個数に反比例することを示し,これは複数の対象の運動に注意を向けることは困難であることを示唆する.この結果をもとに,運動方向変化の検出に対する注意の働きを考察した.
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© 2007 日本認知心理学会
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