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材料と環境2012 速報論文特集
極性逆転による給湯用アルミニウムめっき鋼管の腐食
山手 利博
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2012 年 61 巻 11 号 p. 429-433

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抄録

給湯用アルミニウムめっき鋼管 (125 A) が使用開始約6年で腐食のため穿孔され漏水した.平均腐食速度は使用期間から0.76 mm/年と計算され鋼管の腐食速度として非常に大きい.腐食した配管の解析,めっき欠陥を設けたアルミニウムめっき鋼試験片による温水槽 (60℃) と給湯配管内での腐食試験を行った.いずれのアルミニウムめっき鋼欠陥部においても,めっき層を残したまま素地の鋼の腐食がみられた.また,60℃の温水槽中におけるアルミニウムめっき鋼 (アルミニウムめっき鋼表面=純アルミニウム層,鋼とアルミニウムの合金層,鋼) の自然電位を測定した.純アルミニウム層,鋼とアルミニウムの合金層とも60℃および常温で鋼に対して貴な電位を示した.これらの結果から,腐食原因はアルミニウム (特に鋼-アルミニウム合金層) と鋼の極性逆転によって発生した局部腐食と考えられる.

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© 2012 公益社団法人 腐食防食学会
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