2025 年 67 巻 4 号 p. 319-327
2008年にAkermanらが従来のバルーン内視鏡(balloon assisted endoscopy:BAE)とは全く異なるコンセプトの小腸内視鏡であるスパイラル内視鏡を開発した.このスパイラル内視鏡を改良し,らせん状のフィンを電動化した内視鏡がパワースパイラル内視鏡である.電動化したらせん状のフィンが腸管をたぐりよせることで深部小腸への挿入を可能にし,従来のBAEよりも効率よく深部小腸への挿入を可能としている.海外では2019年から臨床使用が開始されているが,本邦ではまだ導入初期であり,本邦におけるパワースパイラル内視鏡の位置付けについては今後の検討課題である.