抄録
本報告は,鳴門教育大学(2016年10月23日)で開催された日本教科教育学会第42回研究大会フォーラムの検討内容を指定討論者としてまとめたものである。テーマ「教科教育学研究は学校現場の実践にいかに寄与するのか」を掲げ,「学校教育実践への学の貢献」を志向した教科教育研究のあり方・方向性と教育実践の科学化に焦点があてられた。研究者と実践者との協働,研究組織やその進め方,各々の立ち位置を見直し,教育実践の提案,改善・改革を通して,教科教育学研究を進めること,学校のリアルな現実を踏まえ,子ども同士の学び合いをどのように創出していくか,真正の学びを保障していくような研究のあり方が俎上に載せられた。筆者は「理論の実践化」と「実践の理論化」を往還的・相互補完的に捉え追求するとき,理論・モデルの目的合理性だけでなく状況整合性や具体的な実現可能性も含めた研究,とくに子どもの成長や発達が目に見える形で教科をどのようにしなければいけないかという考え方が,今後の教科教育学研究の進め方に取り入れられるべきとした。