抄録
理科においては,問題解決の能力を問題解決の過程を通して育成することが求められている。そして,問題解決過程の連関性をもたせた指導の保障が子どもの問題解決の能力の育成に不可欠であると指摘されている。そこで,小学校教師を対象に,連関性をもたせた指導が行われているかを明らかにするために,連関性のある指導とない指導の指導頻度を問う質問紙を開発し,実施した。その結果,問題解決の各過程内で完結した連関性のない指導と比較すると,問題解決の各過程を連関させた指導は行われていないことが明らかとなった。教師は連関性のない,ノートを書かせる,観察・実験の技能指導,発表をさせるなどの具体的な子どもの活動に関わる指導を頻繁に行っていることが明らかとなった。