日本作物学会紀事
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栽培
牛フン堆肥施用を基軸としたソバとラッカセイを組み合わせた経年的な輪作体系における収量の変化と土壌の肥料成分の動態
鬼頭 誠
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2026 年 95 巻 1 号 p. 54-67

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抄録

無施肥栽培したラッカセイの収穫残渣の施用に加えて,牛フンペレット堆肥を全層に1 kg/m2相当量施肥する全層施肥施区とソバ播種列に0.5 kg/m2相当量を条施肥する条施肥区を設けて,秋播きソバと春播きソバの栽培を4年間行ない,ラッカセイとソバの生育量と子実収量を標準量の化学肥料で栽培した化肥区と比較した.ラッカセイの生育量と子実収量は,4年間とも有意差はないものの化肥区にくらべて両堆肥区で大きくなった.秋播きソバを1 kg/m2の堆肥で栽培すると,秋ソバ栽培期間中に放出される窒素量とリン量は化肥区の施肥窒素と施肥リン以上であった.なお,両堆肥区の生育量と子実収量は化肥区と同程度であった.春播きソバ栽培期間では,ラッカセイ収穫残渣由来の窒素とリンなどの放出量が少なくなり,堆肥施肥だけで栽培した初年は,化肥区に比べて両堆肥区で生育量と子実収量ともに減少した.2年目からは堆肥に加えて,全層施肥区では化肥区の2/3量,条施肥区では1/2量の化学肥料の施肥を行った結果,全層施肥区で化肥区と同程度以上,条施肥区でも化肥区に近い生育量と子実収量が得られた.堆肥の連用は経年的な肥沃度の向上も認められ,播種時の可給態窒素は化肥区に比べて著しく多く,栽培期間中の無機態窒素含有率も収穫直前まで常に高く維持したと考える.

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