日本作物学会紀事
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アピオス(Apios Americana Medikus)の乾物生産と収量の特性に関する研究
ジュリアルニ星川 清親
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1996 年 65 巻 1 号 p. 98-102

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抄録
2つのアピオスの系統, 赤色茎系統と緑色茎系統を1993年に圃場条件で栽培し, その乾物生産と収量の特性について調べた. 赤色茎系統と緑色茎系統の乾物生産と収量には明らかな違いが認められた. 赤色茎系統は緑色茎系統よりも開花と塊茎形成が早かった. 両茎系とも葉面積指数(LAI)と個体群生長速度(CGR)は調査終了時まで増加し続けた. 植え付け後63日以降では, 赤色茎系統のLAIとCGRは緑色茎系統よりも高い値を示した. 赤色茎系統では塊茎生長速度(TGR)の急激な増加は, 植え付け後約98日に, 緑色茎系統では168日後に開始した. すなわち, 赤色茎系統は緑色茎系統より, 約2カ月早くTGRの急激な増加が始まった. 赤色茎系統の純同化率(NAR)は植え付け後63日では, 緑色茎系統よりやや高かったが, その後相互遮蔽によるNARの低下が緑色茎系統よりも早く見られた. 赤色茎系統の地上部は植え付け後191日に, 緑色茎系統は植え付け後217日に枯れた. 赤色茎系統のイモの収量は緑色茎系統よりも高かった.
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