日本色彩学会誌
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日本色彩学会第50回全国大会[東京]ʼ19 発表論文集
室内空間の雰囲気に適した壁紙−壁紙の色と模様による心理効果の実験−
庄 怡阿部 楓子山本 早里
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2019 年 43 巻 3+ 号 p. 103-

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抄録

本研究は,より優れた空間を創出するため,壁紙のデザイン手法を研究する.壁紙の配色と模様をもとに,部屋の雰囲気にあった壁紙の特徴を明らかにする.

初めに,現在取り扱われている壁紙のカタログの現状調査を行った.実際に使われている色,色数,配色,パターンをもとに,18枚の壁紙を制作し,印象評価の実験を行い,それぞれの壁紙に対する印象の特徴をまとめた.今回の被験者は筑波大学の大学生20人である.

カタログの現状調査から,壁紙は無地,幾何学模様,具象模様などの模様が利用されている.色数に関しては,1色,2色,3〜5色,または5色以上に分けられる.背景色は60%の壁紙はY〜YRの色を使っている.またはNは19%で,B系も5%を示している.

印象評価実験の結果から,女性と男性の壁紙に対する印象に有意差があった.壁紙のデザインの色に関して,大人っぽいイメージを作りたい部屋に対して,無彩色のほうがふさわしい.暖かく,明るく,派手な,柔らかく,親しみやすいイメージには,Y系の色のほうがふさわしい.模様の面から,具象的な模様はより高級に感じられる.また,円の幾何学の模様は比較的柔らかく,親しみやすいイメージがある.

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© 2019 一般社団法人 日本色彩学会
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