2020 年 44 巻 3+ 号 p. 267-
本研究は,(1)商品画像を集めて,そのRGB値から計算される色の分布を確認する,(2)集めた色名の表現する色立体内での拡がりを確認する,(3)修飾語が適用できる商品の特徴の類似性を見るという3つの調査で構成されている.
(1)では,洋服,インテリア関連商品,家庭用電化製品,和服という4つの商品カテゴリーを扱う6サイトから収集した計3678枚の画像の代表点のRGB値からL*a*b*値を算出した.色が示す範囲を表現し,「グリーン」,「ブルー」などは広範囲に,「イエロー」は比較的小さな範囲を表現しているなどが明らかとなった.
(2)では,使用頻度の高い色名を中心に34色名を呈示し,その色名が相応しい範囲を,ヒュー,バリュー,クロマの範囲として表現してもらう実験を実施した.その結果,色名は色立体の表面側の色を表現するものが多く,濁色領域には,代表的な色名では表現できない領域が存在した.そういった色を表現する為に,JIS基本色名+系統色名に準じたネーミングを提案した.
(3)では,4カテゴリーの画像を呈示し,用意した修飾語から修飾語の適否を訊ねた.その結果から,修飾語の類似性について考察した.