日本色彩学会誌
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日本色彩学会第51 回全国大会カラーポッド[京都]’20 発表論文集
芦屋市屋外広告物条例施行がもたらす屋外広告における色彩選択の変化
塚本 惣一郎菅谷 洋司日髙  杏子
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2020 年 44 巻 3+ 号 p. 97-

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抄録

本研究は,景観色彩の視点から,兵庫県の芦屋川特別景観地区を対象に屋外広告物の色彩計画の変化を検討する.芦屋市は,2009年7月に市全域を景観法で定める芦屋景観地区に指定,さらに主要景観として,芦屋川特別景観地区面積42.6 ヘクタールを定めた.対象期間は,芦屋市屋外広告物条例の施行後である2017年4月から2020年3月までとした.研究目的は,芦屋市民と業者による色彩の選択変化における屋外広告物条例が与えた影響の観察にある.芦屋市民と広告設置する業者が屋外広告物条例に従って行動を起こし,景観色彩上の時系列変化が都市景観にどのような影響を及ぼしたかを考察する.アドビキャプチャーCCのカラー機能を用い,カラーチャートから屋外広告物の色彩計画を都市景観上から評価する.芦屋市屋外広告物ガイドラインの指針として,2021年6月末までに,屋外広告物の工事を規定に定めた条例に基づき改修工事を完了しなければならない.条例に基づき,すでに改修,あるいは改修せずに,行政も市民も景観的に満足なものと,満たせなかったものの配色変化を評価する.色彩規制上の問題点を掲げ,将来の都市景観条例と色彩計画の指針に役立てる.

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© 2020 一般社団法人 日本色彩学会
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