日本歯科医学教育学会雑誌
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研究報告
短期受入れ国際プログラムでのオンライン学習支援システムの活用
岡 広子高田 隆
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2016 年 32 巻 2 号 p. 64-71

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抄録

抄録 近年, わが国において海外の歯学部学生の受入れが盛んに実施されている. われわれは, 平成24年度より複数の提携校から日本語も英語も母語としない学生が引率者なしで一堂に集まる広島大学歯学部の10日間の短期受入れ国際プログラムにおいて, 参加学生の事前準備や振返りの過程をサポートするため, オンライン学習支援システムの活用を始めた. 実際には, 広島大学共通のオンライン学習支援システムに短期受入れ国際プログラムのコースサイトを開設し, 教材としてプログラムスケジュール, 注意事項, 配布予定の資料, 学習項目, 課題一覧を掲載するとともに, e-mailと連動する連絡機能と課題提出機能を英語で設定した. そして, 年々, システムとシステムを用いる短期受入れ国際プログラムに改善を加えてきた. 平成25年度以降, 参加学生のほとんどがプログラム前後1カ月を含めた期間, コースサイトへアクセス可能となり, システムの活用とともに, 参加学生のプログラムへの積極性や予習・復習を含めた自己学習の意欲も高まった. また, 平成25年度はオンライン学習支援システム利用時間と課題成績に正の相関が認められた. 平成26年度は事前に学習支援システム活用の必要性と情報更新をより詳細に参加学生にむけて提示するように改善を行っている. 短期受入れ国際プログラムでの実績から, オンライン学習支援システムによって, 各参加学生のアクセス状況や情報を共有し, その情報を元にした指導を行うことは, 海外との受入れ・派遣プログラムに限らず, 国内も含めて大学間で連携して行うその他のプログラムでも有用で応用可能と考えられた.

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