日本歯科医学教育学会雑誌
Online ISSN : 2433-1651
Print ISSN : 0914-5133
原著
ミラーテクニックを用いた切削技能に影響を与える因子の検討―第2報 研修歯科医の上顎中切歯口蓋側切削時のフィンガーレストの位置と術者の手長による比較検討―
長澤 伶佐藤 拓実中村 太長谷川 真奈野村 みずき藤井 規孝
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2024 年 40 巻 3 号 p. 110-118

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抄録

抄録 診療参加型臨床実習を充実させるためには,臨床実習前の基本的臨床技能の教育を整備することが重要である.ミラーテクニック(MT)は,目視が難しい部位の処置の際に有効な技能であり,Minimal Intervention(MI)を実践するうえでも重要であるが,その習得は容易ではないため,MTの教育方法の確立が求められる.著者らはデンタルミラーの位置がMTを用いた切削技能に影響を与える一因であることを報告した.本研究では,フィンガーレスト(FR)の位置および術者の手長がう蝕を想定した試験円の削除の正確性に与える影響を調査した.

 被験者は令和5年度新潟大学医歯学総合病院研修歯科医24名とし,はじめに右手の手長の測定を行い,その長さにより12名ずつ長短2群に割付した.上顎右側中切歯の人工歯口蓋側に規格化した試験円をMT下でMIに基づき過不足なく削除することを指示した.上顎右側犬歯,上顎右側第一小臼歯,上顎右側第二小臼歯の位置にFRを置き,1回ずつ切削試技を行った.切削後の人工歯のデジタル画像とSTLデータを用いて切削範囲,切削深度に加え,切削時間と窩洞の確認回数を測定し手長の長短2群間で比較検討を行った.

 手長が長い群のほうが,歯頸側の切削の正確性が有意に低かった.これはFRの位置と切削対象が近すぎることが影響していると考えられた.本研究結果からFRの位置および手長が切削の正確性に影響を与えることが示唆された.

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