日本歯科医学教育学会雑誌
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調査報告
歯科医師国家試験における医科・歯科共通分野の問題の出題傾向とその教育学的意義―第115~119回歯科医師国家試験の分析―
楠 博志水 秀郎
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2026 年 42 巻 2 号 p. 61-66

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抄録

抄録 本研究は,第115回(2022年)から第119回(2026年)までの歯科医師国家試験を対象に,医科・歯科共通分野の問題の出題傾向とその教育学的意義を検討した.全問題を精査し,医科・歯科共通分野の問題を抽出後,内科13領域に加え,小児・発達,救急医学,皮膚科を加えた計16領域に分類した.分類には生成AIを用い,最終判断は著者らが行った.その結果,医科・歯科共通分野の問題は5年間で計379問,全問題の21.1%を占め,必修問題では32.3%と高率であった.分野別では感染症が最多(13.2%)であり,神経内科,小児・発達,循環器がこれに続いた(それぞれ約10%).さらに内分泌・代謝,老年病,呼吸器も一定数認められた一方,消化器は5年間で4問ときわめて少なかった.歯科分野別では口腔外科および歯科麻酔との関連が強く,血液・リウマチは口腔外科,循環器・呼吸器・救急医学は歯科麻酔からの出題が多かった.これらの結果は,歯科医師に求められる全身管理能力を反映するとともに,出題傾向が歯科診療に直結する領域に偏ることを示している.また,出題形式は医学の臓器・疾患中心型とは異なり,偶発症対応など臨床実践能力を重視する特徴を有していた.これは,歯学が外科的処置を包括する横断的学問であることに起因すると考えられる.以上より,歯科医師国家試験の医科・歯科共通分野の問題は歯学特有の教育体系を反映しており,今後は出題傾向に留意しつつ,社会的実態・要請を反映した体系的教育の充実が求められる.

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