2019 年 69 巻 2 号 p. 98-105
本症例(女性,ベースライン時77歳7カ月)は,以前から重度歯周炎のため,Supportive Periodontal Therapy(SPT)を受けており,歯周状態は安定していた.しかし,#34部の歯周状態が悪化し,違和感を訴えるようになった.また,#45部の破折による排膿が認められた.そこで,従来のスケーリング・ルートプレーニング(SRP)に光線力学療法(Fotosan®)を組み合わせることにした.
ベースライン時に違和感を訴えている#34の動揺度は0で,頰側近心の歯周ポケット深さ(Probing Pocket Depth, PPD)は5 mm であった.プロービング時の出血(Bleeding on probing, BOP)および排膿はなかった.#45の破折部の動揺度は0,PPDは9 mm で,BOPおよび排膿が認められた.
SRPと光線力学療法を併用した結果,3カ月後には主訴である#34部の違和感は消失した.頰側近心のPPDは2 mm に軽減し,その後2年3カ月まで歯周状態は安定していた.一方,#45部の破折部のPPDは深いままであったが,排膿は消失しその後2年3カ月まで同症状は認められなかった.以上のことから,SRP と光線力学療法の併用により歯周病が改善し,SPT期における長期的な歯周組織の安定のためには,光線力学療法の応用が重要であることが示唆された.